SPECIAL スペシャル

第1話最速プレミアム試写会レポートのお届けです!

2022年12月2日、東京・秋葉原UDXシアターにおいて2023年春放送予定のTVアニメーション『私の百合はお仕事です!』(以下:わたゆり)第1話最速プレミアム試写会が行われました。

 

プレミアム試写会では、まずTVアニメーションのティザーPVと先行公開となる録り下ろしシチュエーションボイスPVが上映され、そのあといよいよ第1話の試写がスタート。キャラクターたちの会話や仕草、きらびやかな「カフェ・リーベ女学園」の雰囲気などアニメーションならではの表現で『わたゆり』の世界観が展開され、公式Twitterの公募で当選した約150名のファンの方たちは一気に惹き込まれていました。

 

約30分の上映があっという間に終わると会場は大きな拍手に包まれ、映像作品となった“動く『わたゆり』”にファンの方たちは大満足の様子。そして第2部は主人公・白鷺陽芽を演じる小倉唯さんと、プロデューサーの永谷敬之さんによるトークコーナーが行われました。

 

「カフェ・リーベ女学園」の制服にも似た可愛らしいワンピースを着た小倉さん。

 

――まずは第1話を見終えていかがでしたか?

 

「ティザーPVの時から色彩がとても綺麗だと思っていて、これは絶対すごい作品になると期待していましたが、その期待をはるかに超える完成度でした。また動くキャラクターたちがとても可愛らしく声もマッチしていて、とても幸せな気持ちで見ていました」(小倉さん)

 

「原作で“ソトヅラ”というキーワードがありますが、僕ら作り手としては、フィルムに映っているものはある意味“ソトヅラ”(笑)。しっかり作り込まなければと、今もスタッフ一同頑張っています。またカフェでキャラクターを演じている時とそうでない時、コメディタッチな部分とシリアスな部分など、オンオフが明確な作品なので、作画的にもそこは大切にしたいなと。また小倉さんが言われた色彩についてもこだわっていて、かなり試行錯誤しました。そこに気付いていただいて嬉しいです」(永谷さん)

 

 

――初めて原作を読まれた時どんな感想を持たれましたか?

 

「原作コミックス第7巻のPVを担当させていただいた時に初めて読ませていただいたのですが、とても面白くどんどん読み進めてしまいました。その頃から、これはアニメ化したら絶対に素敵だなって思っていたんです。陽芽を演じたい、キャラクターたちの物語をアニメでも見てみたいと願っていたので、その夢が叶ってとても嬉しいです」(小倉さん)

 

 

――あらためてお2人が思う『わたゆり』の魅力はどこでしょうか?

 

「『わたゆり』にはいろいろな魅力があるなって思います。キャラクターの可愛らしさはもちろん、設定も素敵ですし、何より女の子同士のやり取りがとても魅力的。いい匂いがする(笑)。女の子同士の友情や愛情などの感情が繊細に描かれていて、胸がざわめく感じがしたりキュンキュンしたり、女子でもグッと惹き込まれる世界観だと思いました」(小倉さん)

 

「僕は今45歳なんですが『自分がこの世界を覗いていてもいいのかな?』と思ってしまうようなキャラクター同士の距離感や掛け合い、関係性が素敵だなと。それとカフェ・リーベ女学園の扉をくぐった先にある世界観と日常のメリハリ、そのバランスが絶妙だなと。実は最初タイトルから作品の内容が想像できなかったんです。でもそれが逆に興味を引くきっかけになりました」(永谷さん)

 

 

――小倉さんは、陽芽にはどんな第一印象を持たれていましたか?

 

「とにかく可愛い! 皆さんご存知の通り巧みに“ソトヅラ”と本音を使い分けているのですが、そのあざとさも含めて可愛いなって。実は演じるにあたりそこが少し難しい部分でもありました。アニメ化にあたりもう一度陽芽ちゃんと向き合ったのですが、彼女の二面性の幅をどこまで出すのか。思いっきりやらないとメリハリが出ないのですが、どこまでやったら嫌な子に見えないかという部分などを音響監督さんと相談しながら作っていきました。やっぱり皆から愛される陽芽ちゃんでありたいし、二面性が彼女の魅力でもありますから。陽芽ちゃんは自分で全部完璧に出来ていると思い込んでいるところさえ愛おしいなって思います」(小倉さん)

 

 

――演じるにあたりその二面性の部分が難しかったのでしょうか?

 

「そうですね。アニメはゲームなどと違い画にあわせて録っていきます。オンオフを瞬時に切り替えなければいけないシーンもありますし、モノローグや何かを説明するシーンでは声のトーンやテンポが変わります。アフレコのスキルを必要とされているなと感じながら臨んでいました。特に第1話は陽芽のセリフが多いので、台本をめくるのも難しくてドキドキしながら演じていました」(小倉さん)

 

 

――こちらはファンの方からの質問で多かったものですが、ご自身と陽芽ちゃんが似ている感じるところはありますか?

 

「その質問が多かったということは、皆さん何かお察しのことがある、ということですか?(笑) でも結構似ている部分はあると思います。極端な二面性ではないですが、自分もスイッチを入れるタイプ。陽芽ちゃんのようにキラキラオーラを頑張ってまとうぞ! というのは共感できました。あとよく『実際に会って話してみると、すごいしっかりしていてビックリしました』と言われます。皆さんが思い描くイメージとギャップがあるみたいで、ギャップがあるところは陽芽ちゃんと似ているのかな?」(小倉さん)

 

 

――永谷さんはそんな小倉さんが演じる陽芽の第一印象はいかがでしたか?

 

「陽芽は難しいキャラクターというのが大前提としてありました。演じ方によっては嫌われてしまうかもしれないリスクがある。その部分を自分のフィールドに引き込んで、かつ可愛く見せてくれることが、陽芽のキャスティングに求められる部分だと思っていました。僕らがアニメ化を立案した時にはすでに小倉さんは陽芽、上坂さんは(綾小路)美月の声を演じられていましたが、『このままでいきましょう』と、すんなり決まるくらいハマっていましたね。陽芽の内面のセリフを面白く演じようとすればもっとできると思うのですが、それをどのバランスで演じるのかが重要。そのさじ加減は声優としてキャリアを積まれている小倉さんのほうが分かっていらっしゃると思いますし、実際に陽芽の声を聞いた時、説得力があったんです。僕らとしては何も心配せず、安心して続投でお願いしますということになりました」(永谷さん)

 

 

――お2人が特に印象に残っているキャラクターは誰でしょうか?

 

「第1話を見ると(御子柴)舞さんの強引さがあらためて面白いなと(笑)。個人的には(雨宮)果乃子がとても好きなんです。後半になると特に……なのでぜひ楽しみにしていてください。もちろんお姉さま、美月も好きです」(小倉さん)

 

「僕は(橘)純加ですね。普段はヤンキーやギャルのように見えてカフェでは知的な感じになる。そのギャップが素敵。人生の中で純加のような人と出会いたかったなって(笑)。あとは小倉さんと一緒で舞さん。田村ゆかりさんの声と相まって彼女のグイグイといく部分に説得力があるんですよね。この作品は個性的なキャラクターが揃っていて、それが作品の魅力のひとつでもあると思います」(永谷さん)

 

 

――キャストさんとキャラクターが似ていると思われた部分はありますか?

 

「それこそ美月なんて見た目がすみぺ(上坂すみれさん)そのまま。アニメ化を発表した特番でリーベ女学園の制服を着させていただいたのですが、すみぺは髪色や長さもそのまま。あと身長差も陽芽と美月のようだったので、お互いキャラクターそのままだねと言い合っていました」(小倉さん)

 

「自分はプロデューサーになったばかりの頃から田村さんとご一緒する機会が多かったのですが、舞さんだなって(笑)。でもこの作品は全体的にキャスティングが上手くいっていると思います。声のハマり具合もさることながら、キャラクターのパーソナルな部分に近い方が多いのかな」(永谷さん)

 

「確かに。皆さん無理している感じがなく、自然とお芝居をされている気がします」(小倉さん)

 

 

――作中で姉妹(シュヴェスター)という設定がありますが、小倉さんご自身が姉妹(シュヴェスター)の契りを結ぶとしたらどちらの立場になってみたいですか?

 

「悩ましいですね。たぶん妹なんだろうなと思います。末っ子ですし、その気質があるのかなって。でも最近になってキャリアや年齢も上がってきて、現場で後輩の子たちが駆け寄ってきてくれることが増えると、私もお姉さんなんだという気持ちにもなるんです。どちらの要素もあり、難しいですね」(小倉さん)

 

 

――作中では「カフェ・リーベ女学園」が舞台になりますが、実際にコンセプトカフェへのロケハン、取材などはされたのでしょうか?

 

「各々が行きました。アニメ化の企画が動き出した時、コンセプトカフェに行ったことがあるスタッフは少なかったと思います。もちろん進めていく中で当然分からない部分も出てくる。ですがロケハンでスタッフが大挙してお邪魔すると、お店のコンセプトが崩れてしまう可能性があったので、それはやめようと。なので今回はそれぞれが好きなコンセプトカフェに行って楽しんでいると思います(笑)」(永谷さん)

 

「私はコンセプトカフェに行ったことがないので、一度行ってみたいです。メイドさんもしてみたいです」(小倉さん)

 

 

――ちなみにコンセプトカフェを経営するとしたら、お2人はどんなカフェにされたいですか?

 

「アニメスタジオ風かなぁ。全部セルフサービスのカフェで、お客さんは制作進行役。コーヒーを回収に行ってきてください、みたいな(笑)」(永谷さん)

 

「私はファンクラブ(Yui‘s*Company.)で社長という立場なので、コンセプトは会社です。自分でメニューをコピーして注文をするとか。でも皆お仕事が終わって癒されに来るはずなのに、また仕事をするみたいなのはどうなんでしょう?(笑) でもいろいろ考えるのは面白いですよね」(小倉さん)

 

トークコーナー内では、2022年12月24日に生配信される特番や原作コミックス、コミックマーケット101にて配布されるクリアファイルバッグなどの『わたゆり』情報、そしてアメリカ・テキサスでのイベント「Anime Frontier 2022」でも第1話の試写会が行われることが告げられ、イベントのキービジュアルが会場先行で公開されました。

 

「2023年春放送決定ということですが、作業はすでに終盤に差し掛かっています。現場も盛り上がって取り組んでいますので、最後までこのモチベーションを維持してきっちり“ソトヅラ”を作って放送を迎えられればと思っていますので、期待して待っていてください」(永谷さん)

 

「私も皆さんと同じで第1話を見てとても感動しました。皆さんひとりひとりがインフルエンサーとなって、今日の感想をたくさんつぶやいていただければ嬉しいです。実はもう全話のアフレコは終了しているのですが、キャスト陣が一丸となって役作りを頑張り、キャラクターに命を吹き込んだとても素敵な現場でした。その熱意がこもった素晴らしい作品になると、今からオンエアを楽しみにしています。原作もとても面白いので、そちらもぜひ読んでいただきつつ、アニメ放送を楽しみにしていただければ嬉しいです」(小倉さん)

 

最後はお2人から会場に訪れたファンの方たちへ「カフェ・リーベ女学園」の挨拶「ごきげんよう」が贈られ、大きな拍手でプレミアム試写会は幕を下ろしました。

 

(文・豊田直顕)

 

——–
●作品概要

<STAFF>
原作:「私の百合はお仕事です!」 未幡(コミック百合姫/一迅社刊)
監督:さんぺい聖
キャラクターデザイン:岩崎たいすけ
プロデュース:infinite
アニメーション制作:パッショーネ×スタジオリングス

 

<CAST>
白鷺陽芽/小倉 唯
綾小路美月/上坂すみれ
雨宮果乃子/田中美海
橘 純加/小市眞琴
御子柴舞/田村ゆかり
西園寺寧々/瀬戸麻沙美

 

<introduction>
「ようこそ、カフェ・リーベ女学園へ!」
ここは架空のお嬢様学校。
店員同士が姉妹(シュヴェスター)となり、清らかに美しく給仕をするサロン。
日頃より誰からも愛されるような振る舞いを心がけている陽芽は、
とあるきっかけでリーベ女学園の生徒として給仕をすることに。
そこで出会った女生徒・綾小路美月を何気なく「お姉さま」と呼んでしまい…?
演技(ソトヅラ)と本音が咲き乱れる、お給仕生活はじまります!